鉛筆の芯は、どうやって木の中に入れているのか?一本になる前の意外な姿

文房具
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鉛筆を削ると、木の中心から黒い芯が現れます。短くなるまで削り続けても、芯はずっと真ん中にあります。

細長い木に穴を開け、端から芯を差し込んでいるようにも見えますが、一般的な木の鉛筆は、別の方法で作られています。

溝を掘った二枚の板で、芯を挟んでいるのです。

しかも、芯を挟む段階では、まだ一本の鉛筆の形になっていません。何本分もの芯が並んだ板から、見慣れた六角形や丸い鉛筆が生まれます。

芯を入れるとき、木はまだ平たい板

鉛筆の木の部分を「軸」と呼びます。この軸を作る材料は、薄い板に加工された状態で用意されます。鉛筆作りで使うこの板には、「スラット」という名前があります。

板の表面には、芯が収まる細い溝を平行に何本も掘ります。そこに接着剤を付け、あらかじめ作っておいた芯を一本ずつ置いていきます。

続いて、溝の付いたもう一枚の板を重ねます。上下の溝が向かい合うと、その間に芯を包む空間ができます。芯を具にした、木のサンドイッチのような構造です。

この方法なら、細長い穴の奥まで芯を押し込む必要がありません。板を開いた状態で芯を並べられるため、一本ずつ溝へ収めてから、まとめて覆うことができます。

接着が済んだ段階では、複数の芯が平行に入った一枚の厚い板のような姿です。ここから木を削り、一本ずつの鉛筆へ切り分けていきます。

完成品の中心にある芯は、後から穴へ入れたものではなく、二枚の木を合わせた場所に収まっているわけです。

六角形になるのは、芯を挟んだあと

鉛筆の外側の形は、芯を挟んだ木をカッターで加工して作ります。最初から六角形の細い木を用意するわけではありません。

先に芯の位置を決め、その周りの木を削って形を整える。この順番によって、芯を木の中に収める工程と、握るための形を作る工程を分けられます。

一本ずつに分かれた鉛筆には、さらに塗装を施します。表面の色は一度で仕上げるとは限らず、塗料を何度も重ねて作られます。その後、メーカー名や濃さを示す文字などを付け、長さを整え、検査を経て完成します。

表面が滑らかに仕上げられているため、完成した鉛筆からは、二枚の板を貼り合わせた姿を想像しにくくなっています。外側の塗装の下には、芯を挟んだ合わせ目が隠れています。

黒い芯は、黒鉛と粘土から作る

では、板に並べる前の芯は、どうやって作るのでしょうか。

一般的な黒い鉛筆の芯は、「黒鉛」と「粘土」を主な材料にしています。黒鉛は炭素でできた鉱物で、紙に黒い跡を残す材料です。名前に「鉛」が付いていますが、金属の鉛とは別のものです。

粘土は、黒鉛をまとめ、芯に硬さや強さを持たせる役割を担います。この二つを水とともによく混ぜ、細かく練り合わせていきます。

材料が均一になったら、細い穴から押し出して棒状にします。ところてんを穴から押し出す動きに似ていますが、できるのは鉛筆の中に収まる細い芯です。

押し出した芯は、長さをそろえて切ります。この段階では、まだ完成した芯のような硬さはありません。乾燥させたあと、高温で焼き固めます。

鉛筆の芯は、黒い材料を細く切っただけのものではなく、材料を練り、形を作り、焼く工程を経たものです。

焼き上がった芯に、油をしみ込ませる

黒い鉛筆の芯は、千度を超える高温で焼かれます。木に収める前に芯だけを焼くので、周囲の木まで熱にさらされることはありません。

焼き固めた芯には、さらに油をしみ込ませます。なめらかな書き心地を持たせるための工程です。

鉛筆の芯は乾いた固体に見えますが、書き味を整えるために油も使われています。黒鉛と粘土を混ぜて焼くだけで、すべてが完成するわけではありません。

また、HBやB、Hといった違いは、主に黒鉛と粘土の配合によって作り分けられます。一般に、黒鉛の割合が多いほど軟らかく濃い芯になり、粘土の割合が多いほど硬く薄い芯になります。

外側の木や塗装が似ていても、内部の材料の組み合わせは同じではありません。濃さを示す文字は、芯を作る段階で調整された性質を表しています。

木には、守りながら削られる役割がある

芯だけでも紙に線は書けますが、細長いままでは持ちにくく、曲げる力も直接かかります。周りの木は、握る部分になると同時に、芯を保護しています。

芯は木の中にただ置かれているのではなく、接着されています。芯と木を一緒に固定することで、使うときも削るときも、両者がばらばらに動かない構造になっています。

ただし、芯を守るなら、木は硬ければ硬いほどよいというわけでもありません。鉛筆は、使いながら軸を削っていく道具だからです。

鉛筆の木材として使われるものに、ヒノキ科の「インセンスシダー」があります。比較的軟らかく、削る用途に適した木です。

鉛筆削りは、木と芯を一緒に削りながら、先端だけを露出させます。軸には、普段は芯を支え、削るときには刃で削り取れる性質が求められます。

頑丈な容器を作るだけなら、削りやすさを考える必要はありません。鉛筆の木は、中身を守りながら、自分も少しずつ減っていく材料です。

削るたびに芯が折れても、製造時の問題とは限らない

削った先から芯が折れると、木の中ですでに芯が壊れているように感じます。しかし、削る途中の力のかかり方で折れる場合もあります。

例えば、鉛筆削りの刃が傷んでいるときや、鉛筆を強く押し込みすぎたときです。穴に対して斜めに入れ、上下左右に動かしながら削ることも、芯が折れる原因になります。

削る前は木に囲まれていた芯も、先端では支えが少なくなります。そこへ余分な力がかかれば、焼き固めた芯でも折れてしまいます。

「焼いて硬くすること」と「どんな力にも耐えること」は同じではありません。芯の性質に加え、周囲の木や削る道具まで組み合わさって、細い先端を作っています。

色鉛筆の芯は、同じようには焼かない

木で芯を挟む姿が似ていても、色鉛筆の中身は、黒い鉛筆と異なります。

一般的な色鉛筆の芯には、色のもとになる「顔料」と、ワックスなどが使われます。顔料とは、水や油などに溶けず、細かな粒として色を付ける材料です。

黒い鉛筆の芯が黒鉛と粘土を高温で焼き固めるのに対し、色鉛筆の芯は、通常そのようには焼かず、乾燥させて固めます。

赤や青の芯は、黒い鉛筆の芯に後から色を付けたものではありません。同じ二枚の木に挟まれていても、その中には材料も固め方も違う芯が入っています。

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