花粉の季節やお掃除のときなど、日常のあらゆる場面で活躍する箱入りティッシュペーパー。
取り出し口からシュッと一枚引き出すと、使う一組はキレイに手元へ離れ、そのすぐ下から次のティッシュの端が「チョコン」と少しだけ顔を出しますよね。
紙同士がのりなどでくっついているわけでもないのに、どうして一枚取ると、当たり前のように次の一組がついてくるのでしょうか。
「中で繋がっているのかな?」「どうやって一組だけ離れるんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?
実はあの箱の中には、紙同士の摩擦を利用して次の端を引き上げる「特殊な折り方の工夫」が詰め込まれていました。今回は、ティッシュが連続して出てくるポップアップ式の仕組みについて分かりやすくひも解いていきましょう。
次の端を引き上げる「重なり」
箱ティッシュで一度に使う単位は、多くの場合、薄い紙を2枚重ねた一組です。その一組ずつが、V字やZ字に折られながら上下の一組とかみ合っています。上の一組の折り目には下の一組の端が挟まれ、下の一組の折り目には、さらにその下の端が挟まるという並びです。
一組を作る薄い紙が、なぜ2枚重ねになっているのか。その理由は、柔らかさと吸水性を両立させる重ね方にあります。
最上部の一組を引き上げると、重なっている間は次の端も一緒に持ち上がります。しかし、二つはのりで固定されていません。上の一組が箱の外へ十分に出ると重なりがほどけ、使う一組だけが離れます。次の一組は端だけが取り出し口を通ったところで残ります。

この折り重ね方は「ポップアップ方式」と呼ばれます。ティッシュの束は、単なる紙の山ではなく、前の一組が次の一組を出口まで運ぶように並べられた列なのです。
長い紙を折りながら、順番まで組み込む
この並びを作るのが、「インターフォルダー」と呼ばれる折り機です。原紙の大きなロールから繰り出した紙は、製品の幅に分けられ、複数の連続した紙として機械へ入ります。折り板式では、向かい合う紙を折り板に沿わせ、一方の端をもう一方の折り目へ入れる動きを繰り返します。
機械の中では、紙を一組ずつ完成させてから積むのではありません。連続した紙をV字やZ字に折りつつ、隣の紙と交互に組み合わせ、長い積層体を作ります。その後、必要な組数ごとに断裁し、一箱分の束にして収納箱へ入れます。

この工程では、紙の大きさだけでなく、取り出される順番も同時に作られています。完成した束を横から見ると折り目が左右へ交互に向き、どの一組も前の紙に端を引かれ、次の紙の端を挟む位置にあります。箱へ入れてから紙を一組ずつ組み直す必要はありません。
もし同じ向きに折った紙をただ積むだけなら、上の一組を取っても下の紙へ力が伝わりません。反対に、重なりが深すぎたり紙同士の抵抗が大きすぎたりすれば、二組が続けて抜けやすくなります。一組だけを離し、次の端だけを残すには、折り方と紙の重なり方がそろっている必要があります。
取り出し口が、次の一組をそこで止める
交互折りだけでは、持ち上がった次の一組が箱の中へ戻ることがあります。そこで一般的な箱では、天面の開口部の内側に細いスリットのあるフィルムを設けます。ティッシュはスリットを押し広げて通り、フィルムは紙へ軽く触れて支えます。
上の一組が離れた瞬間、次の一組を引く力はなくなります。それでも端が箱の中へ落ちないのは、すでにスリットを通った部分がフィルムに支えられているからです。残りが少なくなり、束の上面と取り出し口が遠くなっても、次の端をつかめる位置に保ちやすくなります。
取り出し口の形やフィルムを使わない製品もありますが、基本の動きは同じです。交互に重ねた紙が次の端を持ち上げ、出口がその端を受け止める。箱ティッシュは、一組を取り出すたびに、次の一組を使う準備まで済ませる「折り紙のような束」なのです。
まとめ:ティッシュを取ると次が出る仕組み
- 交互にかみ合う折り方:1組ずつV字やZ字に折り、端を次の折り目に挟み込む「ポップアップ方式(交互折り)」になっている。
- 摩擦力で引き上げる:1組を引っ張ると、重なり部分の摩擦によって次のティッシュの端が自動的に持ち上がる。
- フィルムが落ち込みを防ぐ:取り出し口の透明フィルム(スリット)が、引き上げられた次の端を優しく挟んで固定し、箱の中へ落ちるのを防ぐ。

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